すでに出来上がったものよりも未知の可能性と熱意に道を開いてくれるありがた〜いイギリスの教育訓練方針のお陰で、必死の受験の末なんとかウインブルドン美術大学の舞台芸術学部、舞台衣裳学科
http://www.wimbledon.arts.ac.uk/
で学ばせてもらえることになったわけですが、そこからが目の回るような日々でした!
自分が求めれば求めるほど得られることは無限にあって何でもそうだと思うのですが、学ぶことに限りはないのです。
↑衣裳製作に励むクラスメイト
そんななかで、私がこのようにバレエ衣裳のシゴトをしていくことになるために出会った、ふたりの素晴らしい恩師がいます。
ジェーン コウッド ( Jane Cowood ) 氏
ひとりは、ウィンブルドン美術大学の講師であったジェーン コウッド ( Jane Cowood ) 氏。
彼女が過去に接してきた数人の日本人生徒のなかでもひときわ不器用でデキの悪かった私を、つねに支え導いて下さった母のような存在の先生でした。
休日も彼女の自宅で手取り足取りあれこれと教えて頂きました。卒業後もちょっとしたシゴトを頂いたりして、それほど心配な生徒だったのでしょう。。。(汗)
↑在学中に製作した衣裳
デイヴィッド ソア ( David Soar ) 氏
もうひとりは、英国ナショナルバレエ ( English National Ballet ) http://www.ballet.org.uk/
の、当時の コスチューム スーパーバイザーであったデイヴィッド ソア ( David Soar ) 氏。
彼は同じウィンブルドン美術大学のOBであり、彼が ENB で作っているチュチュの製作ノウハウを、忙しいなか個人的に手とり足とり教えて下さいました。
残念ながらお身体が丈夫ではなく私の大学卒業後間もなく他界されてしまったのですが、本当に優しく穏やかなバレエ衣裳に情熱を注いだ素晴らしい方で、彼のような人を失うことはとても遺憾にたえません。
↑Davidが試行錯誤で制作した ENB の 不思議の国のアリス ( Alice in Wonderland ) の四角いチュチュ
このほかにも私のバレエ衣裳への情熱だけで、どれだけ多くの人々が援助し後押して下さったことか!!
他国からの単なるバレエ狂の留学生に、惜しげもなく自国の文化と技術を開示し与えることのできるこの英国の懐の広さと驚くべきコネクションの規模に、大英帝国の壮大な歴史を垣間見たりするのです。
私にあるのは、この国と人々への感謝ばかりなのです。