バフチサライの泉


あまり上演されるコトはないのですが、なぜか好きなバレエがあります☆
キーロフバレエ(現マリインスキーバレエ)公演で観た 『 The Fountain of Bakhchisarai 』 ( バフチサライの泉 ) ー

ロシアの詩人プーシキンの詩をモチーフにしたドラマティックバレエで、登場人物の心理と葛藤が豊かな舞踏的表現で語られるストーリー性の強いバレエだと思います。
シーンや踊りも多様なスタイルが取り入れられていて、1幕のポーランド城内でのクラシックな舞踏会シーンから2幕のエキゾティックなタタールの宮殿(ハーレム)にガラっと様変わりし、終幕では男性ダンサー群舞によるタタール兵士の迫力の踊りが展開され、とてもカラフルな全幕バレエでたっぷり楽しめるところが魅力デス。

タタールの汗ギレイと、そのギレイによって愛する婚約者を殺され略奪されたポーランド領主の娘マリア、ハーレムでギレイのいちばんの寵愛を受けていた妻ザレマの交錯する想いがドラマティックな踊りと演技に見事に表現されていて圧巻デス!!
アサフィエフ ( Boris Asafiev ) による音楽も大好きで、この曲のオープニング部分を聞いているとその美しいメロディーに癒されます♪

zarema_asylmuratova

衣裳は、1幕のポーランド風のロマンティックチュチュと男性ダンサーの宮廷衣裳もクラシックで美しいのですが、2幕からのタタールのシーンの様々な衣装がエキゾティックな雰囲気に溢れていて惹き込まれます。

このバレエは衣裳も含めた全体の舞台デザインも好きで、異なったキャストで何度も舞台を観に行きました。
キーロフバレエのロンドン公演のときにリハーサルにも潜り込ませてもらって、じっくりと見て写真を撮ることも許可していただきまシタ^^

bakhchi_stage

そのキーロフバレエの公演でザレマの役をゲストダンサーの シルヴィ ギエム さんが踊った日が何日かあったのですが、あんなにスラリと細いと思っていたギエムさんがキーロフバレエのダンサーの中にあってはとても大きく見えたコトはちょっとした驚きでシタ。
その時のマリア役は ユリア マハリナ さんで、キーロフダンサーとしては比較的大きいほうだと思っていたのですが、ギエムさんと舞台上で一緒に踊っていると遥かに華奢に見えたのデス!
いかにキーロフバレエのバレリーナさんたちが全体的に華奢で細いかと思うと。。。!!
確かにバックステージなどで間近に見る彼女たちは、顔もとっても小さく手首なども折れそうなほどに細く、ステージ上であんなにパワフルに踊り続けられるのがフシギな印象です。

zarema_guillem

言うまでもなくギエムさんのザレマは素晴らしくもちろん迫力でしたが、やはりキーロフバレエの公演ではキーロフダンサーだけの舞台のほうがしっくりくるように感じました。
それは新国立劇場などのバレエ公演で、日本人のダンサーのなかで主役のダンサーだけが外国人の時に感じる違和感と同じようなものなのだと思います。
それぞれの国のそれぞれのバレエカンパニーには、それぞれのカラーがあって然るべしということなのでしょうね。

キーロフバレエの公演では、ユリアナ ロパートキナ さんと アルティナイ アシルムラトワ さんのザレマが凛として強く美しかったデス。
マリア役は ジャンナ アユポワ さんが儚げなのに穏やかな意志が感じられて好演だったと思います。
どちらかというと強い印象だったマハリナさんがザレマではなくマリア役だったのは意外でしたが、ザレマ役のギエムさんと一緒に踊る彼女を見るとやはりマリア役なんだな~と妙に納得しました。

このバフチサライと似たイメージで、同じように女性ふたりのドラマティックな愛憎の描かれたインドを舞台にしたエキゾティックバレエが、よりポピュラーな『 La Bayadere 』( ラ バヤデール ) ですよね☆
バレエカンパニーによって構成の異なるこのバレエもお気に入りなのですが、それについてはまたー
ハーレムが舞台となっているという部分では、『 Scheherazade 』( シェヘラザード ) も似たような雰囲気で、これもまた好きなバレエのひとつです。

どうやらワタシはいわゆるエキゾティックバレエを好む傾向にあるようデス。。。


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