日本刺繍の芸術


帰国してから和の舞台衣裳をつくる機会はほとんどないのですが、幸運なことに身近に素晴らしい日本刺繍作品とその製作過程を拝見できる機会はあります☆

東京滞在時にいつもお世話になっているおウチのお母様がつくり出す数々の刺繍作品、これがもう大変に美しく見事なのデス!!
何十種類もの様々な彩りの絹糸が織りなす模様や絵柄は、想像を絶するほど繊細で、艶やかで雅やかな情緒溢れる世界を描き出しています。

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↑数ある素晴らしい作品のなかでもワタシのお気に入りのほんの一部↑

振り袖、帯、バッグ、半襟、掛袱紗。。。等々、あらゆる和装に施された刺繍の展覧会を練馬区立向山庭園にて開催した際には、多くの人々がその華麗な展示品に感心しすっかり魅了されたようです☆

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もう34年余り刺繍を続けられ、今では数えきれないほど沢山のものを作られたそうですが、ほんの小さなお花をひとつ刺繍するだけでもそれは大変な技術と時間を要するものなのです。

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柄に陰影を出し立体感を与えるための配色は難しく、出来上がりのイメージを絹糸をおいて考えてみるのは決して易しい作業ではないということです。
ワタシが舞台衣裳のデザインを実際の衣裳に作り上げるときにも似たようなコトを感じるので、わかるような気がします。

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もともとずっとオートクチュールのお仕事をされてきて、数々のファッショナブルなお洋服をデザインし作られてきたお母様。
刺繍のみならず服飾の縫製も素晴らしく、ワタシもちゃっかりと衣裳製作において優れたお知恵を拝借することは少なくありません☆

代々受け継がれゆく衣裳ー

例えば、打ち掛けの花輪の刺繍ひとつを仕上げるのに10日間くらい、そして打ち掛けの完成には10年ほどもかかったそうです!
まさに大作です!!

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この打ち掛けは、娘さん3人が嫁がれたときには白無垢のままだったものに今は美しい刺繍が施されたので、これからお孫さんたちが次々とその華やかな打ち掛けを着て嫁がれて行くとのこと☆
羨ましいかぎりです~^^

3人の娘さんたちも、結婚式の振り袖はお母様がご結婚されたときに着用されたものを色の再生をし甦らせたものに刺繍を施したものを着られたとのことで、なんともステキなおハナシとお写真にワタシまで幸せな気持ちになるのです♪

さらに、お宮参りの重ね着に紋の刺繍をしたもの(女の子用と男の子用があります)と赤い被布も5人のお孫さんが着られたそうで、刺繍がただ芸術作品として美しく素晴らしいだけではなく、人生の折り目折り目に実際に役立って重要な意味を持ち活かされていることに心温まります。

心配なのは、美しい刺繍を仕上げるのに長時間目を酷使されていらっしゃること。
いつまでも優雅な刺繍作品を作られるお母様とその芸術を見せて頂きたいとは思いつつ、どうか目やお体は大事にされてほしいと思うのです。

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お母様と3人の娘さんーもちろん美しい刺繍の施されたお着物や帯を纏われて麗しく☆
(いちばん左側の方がAngelic Charmの超有能な縫製さんです! 血は争えないとはまさに。。。)


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