私がいたオペラハウスの部署は、プロダクション ワードローブ ( Production wardrobe ) という新作オペラ、バレエの女性用の衣裳を作る部屋でした。
スタッフはインターナショナルで、イギリス人のほかにもフランス人、スペイン人、ポーランド人、香港チャイニーズといった人たちが働いていました。
本当に勉強させてもらうことが多く、そこでお手伝いをさせてもらえたことをとても感謝しています。
バーミンガムロイヤルバレエ の斬新な「くるみ割り人形」
様々な衣裳製作のお手伝いをさせて頂いたのですが、中でもいちばん思い出として残っているのは バーミンガム ロイヤルバレエ ( The Birmingham Royal Ballet ) の、「Nutcracker Sweeties 」 ( ナッツクラッカー スウィーティーズ ) の衣裳でしょうか。
デイヴィッド ヴィントレー ( David Bintley ) 氏による、この創造的な新しいプロダクションは、古典の「くるみ割り人形」( The Nutcracker ) をジャズ調にアレンジした、とびっきりスタイリッシュでユーモア溢れる楽しい作品で、衣裳デザインにイギリスの人気ファッションデザイナー ジャスパー コンラン ( Jasper Conran ) 氏を迎えた新作でした。
衣裳も今までの古典のバレエ衣裳とは違って、当時売れっ子だったファッションデザイナーの創作だけあって、斬新でキュートでチャーミングな魅力溢れるものだったのです☆
その作品の中の、チャイニーズのキャラクターの衣裳製作をお手伝いした時は、気の遠くなるような数の、微妙にサイズの異なった生地パーツを一個一個カットし、ライターでヒートカット処理をし、それをチャイナドレスにピンで留め付けて縫い付けていくというそれは大変な作業で、一着が仕上がるまで長くジミ〜な作業が続いたことを覚えています。
それでも、出来上がってステージにのったその衣裳に、大変さは忘れてしまうものなのです!
↑ジャスパー コンラン ( Jasper Conran ) 氏によるデザイン画
↑チャイニーズの衣裳
この作品は、「くるみ割り人形キャンディ」というタイトルでDVDになっていますので、
http://www.wmg.jp/artist/theroyalballet/WPBS000090223.html
機会がありましたらぜひご覧になってみてください。
おススメです☆