先月のコトになりますが、映画「ブラック・スワン」を観てきました。
バレエ映画というよりは、とてもペインフルなサイコフィルムでした。
こんなに痛い映画を観たのは、「Misery(ミザリー)」以来でしょうか。。。(古い^^;)
チャイコフスキーの「白鳥の湖」の曲の多様多彩なアレンジが全編を通してバックに散りばめられていて、バレエ曲を聞くと無意識にそのバレエシーンが頭に浮かんでしまうワタシにとっては、映画がはじまってしばらくは、曲のバレエシーンのイメージに意識をとられてしまって、映画のストーリーに集中できないという想定外の事態に。。。★
新鮮なヴァリエーションに富んだ「白鳥の湖」の曲のアレンジはとても楽しめました♪
もちろんバレエ衣装に興味があったのですが、冒頭のオデット姫が悪魔ロットバルトの呪いにかかって白鳥に変身していく、ロマンチックチュチュからクラシックチュチュへの衣装の変化が、もちろん舞台では無理なハナシなのですが、映像的にも美しく素晴らしかったデス!!
バレエの舞台での衣装の早変わりといえば、Bournonville(ブルノンヴィル)バレエの傑作「Napoli(ナポリ)」の第二幕で、プリマのテレシーナが海の妖精にされてしまうシーンの目にもとまらぬ速さの変身が秀逸で有名ですが、それは舞台だからこそ生きるもの。
(余談ですが、同じく Bournonville の「La Sylphide(ラ・シルフィード)」にもシルフィードの羽根が一瞬で抜け落ちるしかけの衣装がありますよね〜 優れた早替えが The Royal Danish Ballet の得意技なのでしょうか)
映画には映画の、舞台には舞台の素晴らしさがあるのですよね。
バレエ衣装以上に印象的だったのが、非常にアーティスティックな黒鳥のメイク!
コワいですが、スゴいです!!
映画のストーリーを通して納得をもって感じたことは、結局自分の意識が自分に起こる出来事を決めていて、自分自身が自分の現実を創り出しているということ。
自分が体験する物理的な現象というのは、自分が何を信じるかによって決まると考えると、ヒロインの体験は彼女が信じていることが創り出した幻想だということでしょう。
幻想というのは、自分がその中にいるうちは現実なのですね。
自分が観察しているものはすべて、自分の先入観念の上に成り立っていることを表しているようでした。
このヒロインはこれほどまでの精神的重圧と肉体虐使を持ってしか自分の望む成果は得られない、得られるべきではない、と強く信じていたということなのでしょうか。
大変にくたびれるやり方ですね^^;
自分が心から望むところへ到達するのに、抵抗や恐れではなく高揚するような喜びと自己信頼をもって向かって行く方が、ずっとラクで楽しいと思うのですが。。。
いつも Just relax and enjoy がキーワードです☆