空気感


もっとステージや舞台を観に行くべきと思いつつ何となく足が進まないのは、時間や費用などの事情によるものだけではないようデス。

それでも以前は出来る限り足を運ぼうとしていたのに、だんだん足が遠のくように。。。
それは、観に行ったときに感じる空気に起因しているのではないかと。

バレエやクラシックコンサートなどに出かけても、ステージやオーディトリアムやホールの雰囲気が欧米で感じるものとまるで違っているので、気分が全然違うのは当然のことなのですが、ロンドンなどでは舞台を観に行くコトが日常といったような空気感で、とても心地良かったりするのですが、それがまるで切り取られた特別な時という感じがしてしまうと、心底リラックスして楽しめないような?
舞台上で行われているコトだけがどこかから借りてきて貼付けられたような距離感というのか、舞台と客席と劇場のすべてで作られる空気がしっくりと感じられないというか。。。
うまく表現できないのですが、なぜかどこか切り離されたような感覚が拭い去れないのです。

たとえば歌舞伎を日本の歌舞伎座新橋演舞場などの舞台で観るのは、その演目を楽しむだけではなくて、建物の外観からホールや客席の内装、そこに流れる歴史的な年数によって築き上げられた独特な空気、常連の観客の作り上げるムード。。。等々、意識せずとも感じている要素によって、その空間と時間すべてを丸々楽しんでいるのだと思います。
トータルイメージが完成されていて根付いているということなのでしょう。
はじめて歌舞伎座で歌舞伎を観たときは、歌舞伎のコトなど何もわからないのにも関わらず、その雰囲気に圧倒されて自然とその世界に引き込まれるカンジが何とも言えず感動的でした。

海外公演で能や狂言などの日本の伝統芸能舞台を観たことも何度かあるのですが、そこでは逆にどうしても冷めた気分になってしまって、結局その舞台から何を感じたのかもよくわからないまま劇場を後にしたり。
それもやはり上演される海外の舞台劇場そのものの雰囲気が、伝統的な和のスタイルとは全く異なっていることによるものなのでしょう。

そういったコトは文化の違いもあり仕方のないことだとは思いますし、衣装制作の刺激やインスピレーションのためにもどんどん舞台を観に行くべきなのはわかっているのですが。。。
空気感が心理的に働きかける度合いは大きいデス。

czech


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