天上のアリア ♪


ひょんなコトからむか〜し観た映画をふたたびDVDで観るコトにー
やっぱりこの映画好きかも。。。

『 The man who cried 』 ( 邦題 「耳に残るは君の歌声」 )

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ヴィジュアル的にカラートーンも美しくストーリー的にも心に迫るものがあり、キャストの醸し出すキャラクターも深く雰囲気もセンシュアルでとても感銘的な作品なのですが、この映画がフシギと心に触れるのはオペラの名曲がとても印象的かつ効果的に配されているところにあると思うのです。

オペラの名曲が作品中に絶妙に散りばめられているのですが、中でも「 Dido’s lament 」として知られるアリアー
この歌を聴くといつもなぜか涙が流れてくるのデス。
天上の音楽のようなメロディーに、その一瞬だけでも自分が俗な存在だというコトを忘れていられるような気さえします。

イギリス人のバロック作曲家 Henry Purcell ( ヘンリー パーセル ) による オペラ 「 Dido and Aeneas 」 のなかで失意の女王Didoが侍女のBelindaに自らの命を絶つ際に歌い上げるアリアで、

When I am laid, am laid in earth, may my wrongs create no trouble, no trouble in, in thy breast…
(私が死にゆくとも、私の過ちがあなたを煩わせることのありませんように・・・)
と歌っておきながら、
Remember me, remember me, but ah…
(どうか私のことを覚えていて・・・)
と繰り返す。。。

これが切なくって美しいのデス。

バロック音楽はなにか天から降りてきた音楽というようなカンジがしてしまいます。
バッハ ( J.S.Bach ) の インヴェンション や スカルラッティ ( Domenico Scarlatti ) の ソナタ などをず~っと聞いていると、意識がどこかに飛んじゃってジブンが存在していない感覚に陥るような。。。?(笑)
バロックスタイル はその後の ロココスタイル(マリー アントワネットなどに代表されるような)にくらべて、ファッションも装飾スタイルも建築様式もより深みと重厚さがあってとっても好み♪です。

このオペラはとても短い作品で、今ではほとんど上演されるコトはないのではないかと思います。
Purcell のオペラでありながらイギリス滞在中にもいちども観る機会はありませんでした。( Benjamin Britten の Peter Grimes や The Turn of the Screw や Billy Budd などはよく上演されたのに。。。ちょっと苦手★)

ただこのアリアはポピュラーなので、リサイタルなどではよく歌われます。
ワタシのオススメは、ロシアはマリインスキーオペラの誇るメゾソプラノ歌手 Olga Borodina ( オルガ ボロディーナ ) さんによるDidoのアリアですっ☆

borodina CD 「 Arias 」- Olga Borodina

ほかに収録されている「 Samson et Delilah 」のアリアなどもとても美しく、すばらしいアリア集です。
穏やかに浄化されるような歌声デス♪


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