第1幕の客人男性の衣装よりもう1着、軍人という役柄の男性のミリタリーコスチュームです。
黒のウール生地にゴールドのラメシャ生地のスタンドカラーとサッシュを合わせています。
金ボタンはロンドンで入手したものにやや暗めの汚しをかけました。
肩飾りは縄ブレードを編んでボリューム感をもたせたものを縫い付け、スタンドカラーとサッシュのゴールド部分にはデザイナーの安藤氏に陰影のペイントを施して頂きました。
製作を担当させて頂きました「くるみ割り人形」の衣装ではこの衣装に限らず、安藤氏に直接衣装に模様を描いて頂いたり色や汚しをかけて頂いたりしたものが多くあります。
ロイヤルオペラハウスのような大きな劇場付きの衣装製作部があるところでは、染色とこのようなペイントおよび汚しを専門に請け負う個別の部署があるのですが、今回お忙しいなか安藤氏の卓越した画力で衣装に豊かな表情をつけて頂きましたことは、大変有難いです!
言うまでもなく舞台上での見え方がまるで違い、いきいきとした立体感が生まれます。