舞台美術としての衣装、総合舞台芸術の1パーツとしての衣装製作、それが舞台衣装製作者として実現したいことだというのは、このブログでも触れてきたことなのですが。。。
そういった機会があまりないのが現状です。
でも、しかしながら、この度その夢が一部現実となりました!!
しかもいつか一緒におシゴトをしたいと話していた尊敬する素晴らしい舞台美術デザイナー、ART DOMINO の安藤氏と!
バレエ「くるみ割り人形」全幕の繊細で美しくややバレエリュスの雰囲気を思い起こさせるようなデザイン画を拝見した時から気分は高揚したままで、衣装を完成するまでずっと熱に浮かされたようなキブンだったと思いマス。
くるみ割り人形の王子と Sugarplum Fairy と Cavalier の衣装を、安藤氏のディテールの美しいデザイン画に基づいてお作りさせて頂いたのですが、到底ジブンでは思いつかないような新鮮でスタイリッシュなラインを実際踊る衣装に仕立て上げるのは、とてもエクサイティングかつチャレンジングで、眠れない日々が続きました^^;
立体的に丸まっていて四角いホールのある襟や、オーバースカートの絶妙に複雑なアシンメトリーラインや、細かくステキなこだわりのある装飾などなど。。。
さすがの縫製さんたちもかつてない衣装に疲労衰弱の様相でした★
しっかりと構築されたデザインコンセプトを損なわず、デザインイメージは出来る限りそのままに、かつダンサーさんが着て踊って美しく着心地のよい衣装、しかも1着の衣装を複数のダンサーさんのサイズに合うように、という衣装製作はホントウにチャレンジでした。
1着の衣装を仕上げるコトがこんなに大変だったことは、今までになかったかもしれません。
先週日曜日に初日を迎えた安藤氏の舞台美術によるNBAバレエ団の「くるみ割り人形」全幕公演はまさにセンセーショナル!で、美しくダイメンショナルな画、今までにないデザインコンセプト、CG技術等と巧妙に組み合わされた斬新さで、大いに観客を沸かせました。
衣装も優秀な縫製さんたちの素晴らしい仕事ぶりに大いに助けられ、舞台上ではセットのイメージと相まって、デザイナーである安藤氏にイメージ通りだと言っていただいたときは、安堵感と感謝で胸がいっぱいになりました。
素晴らしい踊りで衣装を引き立てて下さいましたダンサーさんたちにも、心から感謝です。
ワタシの考えでお作りさせて頂いたクララの衣装2着も、舞台美術の雰囲気に合っていてホッと一息。
時間が足りずドロッセルマイヤーの衣装がジャケットのないものになってしまったのはとても残念ですが、次の機会にイメージ通りに揃えることができればと思います。
メインキャスト以外の衣装も、新しくなった安藤氏の素晴らしい舞台美術に合わせて全く新たにお作りさせていただける機会があれば、それこそずっと話していた舞台美術と衣装の統一イメージによる総合舞台芸術という捉え方での舞台の実現となるのですよね☆
世界中のオペラハウスがそうしているように。。。
バレエの1シーンを切り取ったときに、どこをとっても1枚の画として調和がとれて美しい、といったイメージでしょうか。
安藤氏の溢れる才能とお人柄の恩恵を受けまして楽しく幸せなバレエ衣装製作をさせて頂きましたこと、大変嬉しく有難く光栄に感じています。
そして縫製さんはじめ素晴らしいスタッフのみなさまの多大なお力で、今回夢の一端を実現させて頂いたことに心より感謝します☆☆☆
NBAバレエ団の「くるみ割り人形」、ぜひ公演に足をお運びになって素晴らしい舞台をお楽しみ下さいませ。
シーズンムードが高まり気分が上がるコト間違いなしデス♪
今週末土日は中野ゼロホール、来週25日は文京シビックにて上演です。
あるいはまた来年のクリスマスシーズンに☆